休耕田ビオトープ

ビオトープという言葉を聞いたことがありますか?Bio-topeはドイツ語の造語で「生物の生息空間」の意味です。私たちが管理させてもらっている休耕田の中で、1枚だけ水を張った状態で維持している場所があります。子供たちにどろんこ遊びをしてもらうための場所ですが、まさにビオトープになっています。


まず、よく見かけるのがカエルです。この季節になると種数はぐっと減って一番繁殖期の遅いツチガエルが目立つようになります。このカエルはオタマジャクシの状態で冬を越すことが多い種類。この場所のように通年水がある場所が重要なすみかになります。劇的に数が増えました。



こちらは最近羽化したばかりのアキアカネ新成虫と、オナガササキリの幼虫。アキアカネは赤とんぼの代表選手ですが、赤くないですね。秋になって成熟するともっと“らしい”色合いに変わります。オナガササキリは湿地に多いキリギリスの仲間です。関東の方では絶滅が心配されている種類なんですよ~



これはちょっと注意したい生き物ですね。黒い体に赤い頭が特徴的。まず、他の虫と間違えることはありません。マメハンミョウという種類です。体にカンタリジンというかなり強い毒を持っていて、潰したりすると体液が皮膚についてひどい炎症を起こします。当然、食べたりすると(誰も食べないと思いますが…)命に関わります。写真のような成虫は色んな種類の植物を食べますが、幼虫はバッタ類の卵だけ食べます。変わってますね~!気をつけなきゃいけないけど、面白い。

なお、この田んぼ、このまま荒らしておくわけではなく、年に何回かは耕して草をリセットします。いつでも田んぼが再開できるように農地を守ると同時に、こういう1~2年目の休耕田が好きな生き物たちのすみかを守っています。

ライター:佐々木