スズメバチの巣

昨日の話です。かんじきトレッキングの下見で、鳥の巣箱に作られたスズメバチの巣を外してみました。


9月のブログでも紹介したのですが、野鳥の巣箱にチャイロスズメバチという珍しい種類のスズメバチが巣を作りました。スズメバチは毎年巣の場所が変わるので、冬になるとこの中に生きたハチは残っていません。そこで、観察のネタとして外してみたわけです。


巣箱を木から外してみて、まず驚いたのが、いないはずの幼虫がいたこと。しかも、幹と巣箱の間、つまり巣の本体の外にいたんです。でも実はこの幼虫はハチの幼虫ではなく、ハチの巣を食料に育つハチノスツヅリガというガの幼虫です。渓流釣りをする方なら、ブドウ虫という釣り餌を知っていると思いますが、あれの野生のものです(厳密には「近い種」かも…)。かつてはブドウ虫はブドウスカシバというブドウの蔓の内部を食べるガの幼虫を使っていたようですが、最近は養殖が簡単なこのハチノスツヅリガにとってかわられています。


で、本題。巣箱を開けてみると予想通り、びっちりと巣が入っています。張り付いているので、ノコギリで切り出すとスポっと抜けました。



中は5段構造の巣になっていました。六角形の穴が、夏に幼虫が育てられていた穴です。ミツバチの場合、ここに蜂蜜を貯蔵したりもしますが、スズメバチの幼虫は肉食なので蜜は集めません。成虫の死骸も残っていました。最後まで巣を守っていた働き蜂のようです。


きらわれ者のスズメバチですが、実はとても面白い生態をしていて私は大好きな生きものです。特にこのチャイロスズメバチは面白いです。他種のスズメバチの巣を乗っ取って働き蜂を奴隷として使うんです。スゴイでしょ?虫が奴隷使うんですよ?この巣も、元々は別の種の巣だったはずなんです。

書き始めると興奮して長くなってしまうので、過去のブログにその役割を回します(笑)

ライター:佐々木