なかなか消えなかった雪もようやく少なくなり、田んぼの土が見えるようになりました。
そうすると、田んぼの準備がはじまります。
堰普請(せきぶしん)といって、冬の間にたまってしまった水路の落ち葉や泥などを取り除く作業がひつようになります。
通常、その堰普請の作業だけで終わりなのですが、やまさぁーべでは生き物たちのすみかをつくるために田んぼをやっているので、ここに作業がプラスされます。まず行っているのがヤマアカガエルの卵救出作戦。
雪解け水がたまった場所で繁殖するのですが、そのあと確実に干上がってしまうような場所にも結構産んでしまいます。
それも自然ではあるのですが、耕作放棄地ばかりで彼らの繁殖できる田んぼ自体が減っている現状では、無駄にしたくない命です。
網ですくって、安定して水のある場所に移動します。
こちらはこれから掃除をする水路。
泥をあげていくと、中にたくさんの水生昆虫がいます。ホタルもすんでいる場所なので、できるかぎり見つけたものは、掃除後にもどします。トウホクサンショウウオの卵なんかも見られました。
こうした水辺の生き物を守っていることには、その先の理由もあります。
こちらの写真は、ヤマアカガエルがたくさん卵を産んでいる冬水田んぼに仕掛けた自動撮影カメラの映像です。
写っているのはサシバという渡り鳥のタカの仲間で、絶滅が心配される希少種です。
彼らの主な獲物はカエルやヘビ。
渡ってきたばかりのこの時期、サシバにとってヤマアカガエルは貴重な食料なのです。
見てください!
足でしっかりとカエルをつかんでいる様子が映っています。
この写真を撮れたことが、どれだけ嬉しいことか!!
その後も、この田んぼでちょくちょくサシバを見かけます。お気に入りの狩場にしてくれているようです。
ライター:佐々木
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