冬芽

今日は冬芽のお話です。


この毛におおわれた冬芽はタムシバ(ニオイコブシ)。普段はふわっふわっの毛に覆われているのですが、今日は気温が高いため、濡れてしまったようです。タムシバの葉っぱはキシリトールのような成分が入っており、噛む柴から転じてタムシバと呼ばれるようになったそうです。蕾は辛夷として漢方薬にも使われます。


次はオニグルミの冬芽。この辺りでは山グルミと言われたりしている種類のクルミで、やまさぁーべのプログラムなどにもよく登場します。冬芽も大きく、短い毛に覆われており特徴的ですが、T字型の葉痕(枯れ落ちた跡)が非常に面白い形をしており、よく羊の顔と言われます。個人的には目がつぶらなモヒカンのサルに見えますが・・・


最後はブナ。冬芽を保護するうろこ状のものが何枚にも重なっているのがわかると思います。これは芽鱗と言い、先端を触ると痛いぐらいの固い芽鱗にブナの冬芽は守られています。
今の時期、落葉樹は葉っぱを完全に落としてしまうものが多いですが、ブナの仲間(どんぐりの仲間)の落葉樹は、枯れた後も落葉せずに冬を越す事がよくあります。このブナの枯葉がすべて落ち、ブナの新しい葉が展葉しだすとようやく春という実感がわきます。


ライター:村中