松保の大杉&重要文化的景観

休館日の昨日、大江町地域おこし協力隊の高橋さんに「大江町の魅力」を案内してもらいました。館長佐々木も、もちろんガイドとして大江町の魅力をお客さんに伝えているわけですが、やはり得意不得意があって、偏ってしまいがち。違う人の目線はとっても勉強になります。今日はそんなお話。


松保の大杉は、県指定の天然記念物。樹齢1100年。スギの木では東北で1番と言われている巨木です。左の写真を見ると、女性が二人立っているのが分かりますか?遠近法は使っていません。ほぼ、真横に立ってこのぐらいの大きさです。私もいろんな巨樹を見てきたつもりですが、スギの木でここまでの大木は初めて見ました。やまさぁーべから街の方に数キロ走ったところに貫見という地区があり、ここからわき道にそれてガタガタ道を8km進むと到着です。それにしても、耕作放棄地がどんどん増えているにも関わらず、こんな山奥に生きた田んぼがあることにもビックリです。これは町の財産ですね。近くでアカショウビンが何羽も鳴いていました。

 

そのうち、ここに行く体験プログラムなんかもやまさぁーべで提供できたらいいな、なんて思いました。



大江町の左沢(あてらざわ)地区の一部は、「国の重要文化的景観」に指定されています。重要文化財ではなく、文化的景観?と思いませんか?高橋さんに、その辺りの話を説明してもらいました。

 

かつて最上川を使って青苧や生糸などの物資を京都などに輸出した港町として栄えたのが、写真に写っている左沢です。もちろん、今はそのような産業はほとんど失われてしまったわけですが、その当時の古い蔵や住居、町並みなどが今もひっそりと残っています。古い住居には今も人が生活をされたり、ご商売をされている場合もあります。また、この町は何度か大火に見舞われた歴史もあり、その都度人々の暮らしや建物も変わっていき、その結果に残っているのが今の町並みです。古いものが古いままにずーっと残っているわけではなく、時代と共に変化しているということです。

 

一般に、文化財などは指定されたその時の現況ができるだけ変化しないように保護していくもの。でも、文化的景観は人の暮らしの中で生まれたものなので、変化を尊重し、建物一つ一つだけでなく、歴史まで含めた人と町全体を守っていこうという考え方だそうです。

 

深いですね。でも、とってもいい考え方だと思います。自然保護にも通じるものがありますね。例えば希少な動物を「捕獲禁止」とかルールを決めて守っても、その動物の生息地が壊されたら、全く意味がない。対象の動物を取り巻く、いろんな生きもの、環境を守ることが大切だという事。全く同じ理屈ですよね。

 

それにしても、何度も歩いた左沢の町並みが、ガイドしてもらうと全く違う景色に見えました。やっぱり、観光にガイドは必要ですね♪ なんて最後は自分の仕事をよいしょしてみる…(笑)